数学メモ帳

なんかとりあえず数学する

なんか適当に数学する

\(\ell^p\)について適当に

とりあえず,思いついたことをかいていけばいいかなぁと思いつつやります.

Definition\(1\leq p<\infty\)に対して,\[\ell^p= \Bigl\{\{x_i\}_{i=1}^{\infty};\ \sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p <\infty\Bigr\}\] と定義し,\(\ell^p\)空間という.(読み方はスモールエルピー)

この\(\ell^p\)は基本的な和とスカラー倍に関して,\(\mathbb{C}\)ベクトル空間となります.
(各\(n\)での和とスカラー倍ってやつですね)

実はこの空間においては和について閉じているかどうかは意外と自明ではないですが,次の不等式によってそれが正当化されます:

Theorem(Minkowski inequality) \(x=\{x_i\}_{i=1}^{\infty},\ y=\{y_i\}_{i=1}^{\infty}\in\ell^p\)に対し,\(x+y\in\ell^p\)かつ\[\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}\leq\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}+\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}\]が成り立つ.

 

といってみたものの,証明をやったことがある人ならわかると思いますが,\(x^p\)の凸性を使うだけで実は\(x+y\in\ell^p\)は言えてしまいます.

が,結局これは示さなきゃいけない事実だったりします.それは次のように定義されたものがノルムだと示さなければいけないからです.

Definition(\(\ell^p\)-ノルム)\(1\leq p<\infty\), \(x=\{x_i\}_{i=1}^{\infty}\in\ell^p\)に対し,\[\| x\|_{\ell^p}=\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\]と定義する.これを\(\ell^p\)-ノルムという .

ノルムの定義において,三角不等式を満足しなければいけませんが,このノルムの形から三角不等式はMinkowskiの不等式そのものなので,結局示す必要があるわけです.

で,結局このノルムに関して\(\ell^p\)は完備となるので,Banach空間であることがわかります.次回からはとりあえずこれを目標にちょこっとずつ書いていこうかなぁと思います.

間違え等がございましたらコメントかTwitterで指摘してくださると助かります.