数学メモ帳

なんかとりあえず数学する

何か適当に数学する4

\(\ell^p\)の完備性

今回は,\(\ell^p\)の完備性について触れたいのですが,その前に今更ですが復習も兼ねて色々と基本事項を確認しましょう.

Definition(Vector Space) \(V\)がベクトル空間(Vector Space)であるとは,\(V\)上で定義された加法に関してアーベル群であって, スカラー倍\(\cdot\colon \mathbb{C}\ \)(または\(\mathbb{R})\times V \to V\)に対して,以下の(1)から(4)が成り立つことを言う:
    \(k,\ l\in\mathbb{C} \)(または\(\mathbb{R}),\ u,v\in V\)に対して,
    \((1)\ k\cdot (u+v)=k\cdot u+k\cdot v\)
    \((2)\ (k+l)\cdot v=k\cdot v+l\cdot v\)
    \((3)\ (kl)\cdot v=k\cdot (l\cdot v)\)
    \((4)\ 1\cdot v=v\)

 

上では\(\cdot\)で書きましたが,省略することが多いです.また,スカラー倍が\(\mathbb{C}や\mathbb{R}\)でなく通常の体でも構いません.

また前回軽く述べましたが,\(\ell ^p\)は\(x=\{x_i\}_{i=1}^{\infty},\ y=\{y_i\}_{i=1}^{\infty}\in\ell^p,\ k\in\mathbb{C}\)に対して,

    和\(\colon x+y=\{x_i+y_i\}_{i=1}^{\infty}\)
    スカラー倍\(\colon kx=\{kx_i\}_{i=1}^{\infty}\)

と定義すると,Minkowskiの不等式の時述べたように,きちんと和に関して閉じていて,スカラー倍も明らかに閉じているので,ベクトル空間となります.

次にノルムの定義についてです.

Definition(norm) \(V\)をベクトル空間とするとき,関数\(\|\cdot\|\colon V\times V\to\mathbb{R}\)がV上のノルム(norm)であるとは,以下の(1)から(4)が成り立つことを言う:
    \(k\in\mathbb{C} \)(または\(\mathbb{R}),\ u,v\in V\)に対して,
    \((1)\ \|v\|\geq 0\)
    \((2)\ \|v\|=0\Leftrightarrow v=0\)
    \((3)\ \|kv\|=\mid k\mid \|v\|\)
    \((4)\ \| u+v\|\leq \|u\|+\|v\|\)
また,ノルムが定義されたベクトル空間をノルムベクトル空間(normed vector space)という.


上の定義を見れば,こないだ定義した\(\ell^p\)-ノルムはきちんと\(\ell^p\)上のノルムになっていることがわかりますね.(三角不等式はMinkowskiの不等式そのものですし.)

形を見ると,絶対値の一般化みたいになっているのがわかるので,実数体のときと同様にCauchy列や収束列の定義がノルムベクトル空間ではできます.

従って,当然完備性を定義することができます.

Definition(Complete) ベクトル空間\(V\)がV上のノルム\(\|\cdot\|\)に関して完備(Complete)であるとは, \(\|\cdot\|\)に関しての任意のCauchy列が,収束列となることをいう.

 

Completeと聞くと何が完全なのかがよくわかりづらいですが,どちらかというとたっぷり詰まってるとか,満タンな状態と言ったほうが近いかもしれません.

とりあえず,基本事項は多分これだけで十分だと思いますので,いよいよ\(\ell^p\)の完備性を示していきましょう.

Theorem(\(\ell^p\)の完備性) \(1\leq p<\infty\)のとき,\(\ell^p\)は\(\ell^p\)-ノルム\(\|\cdot\|_{\ell^p}\)に関して完備である.

proof

証明ですが,Cauchy列を取らないと始まらないので,\(\ell^p\)上のCauchy列を\(\{x_n\}_{n=1}^{\infty}\)とします.

なぜわざわざ強調したかというと,これは初めてやる人にとっては非常に混乱の元だからです.\(\ell^p\)上のCauchy列ということは,列の項ひとつひとつが数列なんです.

だから第\(n\)項目\(x_n\)を取り出してみるとコイツ自身が数列なので,ちゃんと書くなら\(x_n=\{x_i^{(n)}\}_{i=1}^{\infty}\)という感じになっているわけですが,これではあまりにもややこしいので,

各\(n\in\mathbb{N}\)に対して,数列\(x_n\)の項は通常のベクトルと同じように,\(x_n=(x_1^{(n)},x_2^{(n)},\cdots )\)と書く事にして,

例えば\(x_n\)の1番目の項のことを\(n\)番目の第\(1\)成分ということにすれば,ごちゃつかないと思うのでそれでいきましょう.

さて,長々と注意したところで,まずCauchy列の定義から,

\[\forall\varepsilon>0,\ \exists N\in\mathbb{N};\ \forall n,m\geq N\Rightarrow\|x_n-x_m\|_{\ell^p}<\varepsilon\] が成り立ちます.

ここで,\(j\in\mathbb{N}\)をひとつ固定します.このとき,上のことから次が成り立ちます: \[n,m\geq N\Rightarrow \mid x_j^{(n)}-x_j^{(m)}\mid=\Bigl(\mid x_j^{(n)}-x_j^{(m)}\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\leq\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i^{(n)}-x_i^{(m)}\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}=\|x_n-x_m\|_{\ell^p}<\varepsilon\]

これは何を意味するかというと,ある番号\(N\)より先の\(n\)番目の第\(j\)成分と,\(m\)番目の第\(j\)成分の差が,任意の正の数\(\varepsilon\)で抑えられるということなのでつまり,\(\{x_j^{(n)}\}_{n=1}^{\infty}\)は\(\mathbb{C}\)上のCauchy列であるということになります.

大事なのは\(\mathbb{C}\)上のというところで,なぜならば,\(\mathbb{C}\)は完備なので,上の列,すなわち,1番目,2番目・・・とすべての列の第\(j\)成分を集めてきて並べた数列は収束列になります.

従って,各\(j\in\mathbb{N}\)に対して,ある\(x_j\in\mathbb{C}\)が存在して,\(x_j^{(n)}\to x_j\ (as\ n\to\infty)\)となります.

よって,これらをすべて1から並べたものを,\(x=(x_1,\ x_2\cdots )\)とします.実はこいつが最初にとったCauchy列の収束先になります.次はそれを示します.

step1:\(\|x-x_n\|_{\ell^p}\to 0\ (as\ n\to \infty)\)

まず,\(x_n\)が\(x\)に\(\|\cdot\|_{\ell^p}\)に関して,収束することを示します. 今,任意の\(k\in\mathbb{N}\)に対して,\[S_n(k)=\Bigl(\sum_{i=1}^{k}\mid x_i-x_i^{(n)}\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\] と置き,\(n\geq N\)となるように任意に固定するとき, \[\Bigl(\sum_{i=1}^{k}\mid x_i^{(m)}-x_i^{(n)}\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\to S_n(k)\ (as\ m\to\infty)\]

となるから,\[\Bigl(\sum_{i=1}^{k}\mid x_i^{(m)}-x_i^{(n)}\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\leq\|x_m-x_n\|<\varepsilon\ (n,m\geq N)\] に注意すれば,任意の\(n\geq N\)に対し, \[s_n(k)\leq\varepsilon\] が成り立って.さらに,\(s_n(k)\leq s_n(k+1)\)より,\(k\)に関して,単調増加かつ,上に有界であるから,\(k\to\infty\)としたときに収束するので,上の関係式から, \[s_n(k)\to \Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i-x_i^{(n)}\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}=\|x-x_n\|_{\ell^p}\leq\varepsilon\] となって,これは\(\|x-x_n\|_{\ell^p}\to 0\ (as\ n\to \infty)\)を意味します.

step2:\(x\in\ell^p\)

上のことで多方話は終わったのですが,最後に\(x\in\ell^p\)を示す必要があります.ですがこれは簡単で,任意の\(k\in\mathbb{N}\)に対して,

\[\Bigl(\sum_{i=1}^{k}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\leq \Bigl(\sum_{i=1}^{k}\mid x_i-x_i^{(n)}\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}+\Bigl(\sum_{i=1}^{k}\mid x_i^{(n)}\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\] がMinkowskiの不等式より成り立つので,両辺を\(k\to\infty\)とすれば, \[\|x\|_{\ell^p}\leq\|x-x_n\|_{\ell^p}+\|x_n\|_{\ell^p}<\infty\] となるので,以上より,\(x\in\ell^p\)がわかったので,\(\ell^p\)の完備性が示されたことになります. \(\Box\)

以上で,完備性については終わります.で,なんでこいつの話をしたかって言うと,コイツ自身も割とよく出てくるし大事ってのもあるんですが,本当は\(L^p\)をやろうと思ってたんですけど,測度の話をしていいのかよくわからなかったのでこれにしたというのが本音です.

次回は,せっかくなので\(\ell^p\)の可分性にでも触れようかなと思います.それではここまで読んでいただきありがとうございました.

間違い等ございましたらコメントかTwitterにて指摘してくださると幸いです.

何か適当に数学する3

Minkowski inequality

今回は\(\ell^p\)版三角不等式Minkowskiの不等式を示しますが,この形のものは非常に特別な形で実際はもっと一般化できることは少しコメントしておきます.

まぁ,それはまたその時が来たらでいいのでとりあえず次を示しましょう.

Theorem(Minkowski inequality) \(x=\{x_i\}_{i=1}^{\infty},\ y=\{y_i\}_{i=1}^{\infty}\in\ell^p\)に対し,\(x+y\in\ell^p\)かつ\[\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}\leq\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}+\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}\]が成り立つ.

 

proof

証明ですが,まず,\(p=1\)の時はただの三角不等式になってしまいますので,それは除きます.

また,左辺が\(0\)の場合も明らかですので,これらすべてを除いた時のみを考えれば十分です.

まず,\(x^p\)の凸性を用います.すなわち,\(a,b>0\)とするとき,

\[\Bigl(\frac{a+b}{2}\Bigr)^p\leq \frac{a^p+b^p}{2}\]

が成り立ちます.従って, \[\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^p\leq 2^{p-1}\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p+\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^p\Bigr)<\infty\]

となって,前半の主張である,\(x+y\in\ell^p\)はわかります.

ところで,

\[\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^p=\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid\mid x_i+y_i\mid^{p-1}\leq\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid\mid x_i+y_i\mid^{p-1}+\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid\mid x_i+y_i\mid^{p-1}\] なので,

Hölderの不等式から,\(\frac{1}{p}+\frac{1}{q}=1\)を満たす,正の数\(q\)に対して, \[\leq\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^{q(p-1)}\Bigr)^{\frac{1}{q}}+\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^{q(p-1)}\Bigr)^{\frac{1}{q}}\]

\(q(p-1)=p\)に注意すれば, \[=\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{q}}\Bigl[\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}+\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\Bigr]\]

従って,両辺に \[\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^p\Bigr)^{-\frac{1}{q}}\] をかければ,結論の不等式が得られます. \(\Box\)

とまぁ,証明はこんな感じで終わります.

Hölderの不等式の使い方が中々強引ですが,やってること自体はただ脳筋で上から抑えただけですね.

でさっきも言いましたが,この不等式実はもっともっと一般化できて,最終的には測度に関する二重積分の形でかけるらしいです.

まぁ其の辺はまた使う機会があったらということにして,次回は\(\ell^p\)について考えていきましょう.

といったところで今日は終わります.読んでいただきありがとうございました.

間違い等がございましたら,コメントかTwitterにて指摘してくださると幸いです.

なんか適当に数学する2

Hölder's inequality

今回から\(\ell^p\)について具体的に調べていこうと思います.

今回はMinkowskiの不等式に利用する Hölderの不等式についてみていきましょう.

Theorem(Hölder's inequality)\(1< p<\infty\), \(x=\{x_i\}_{i=1}^{\infty},\ y=\{y_i\}_{i=1}^{\infty}\in\ell^p\)とし,\(q>0\)を,\(\frac{1}{p}+\frac{1}{q}=1\)満たすものとするとき,\[\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_iy_i\mid\leq\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^q\Bigr )^{\frac{1}{q}}\] が成り立つ.


proof

証明はまず以下の不等式を示します\(\colon\)

\[ab\leq\frac{a^p}{p}+\frac{b^q}{q}\ \ (a,b> 0)\tag{1}\]

この証明は簡単で,\(t\geq 0\)として, \[\phi(t)=\frac{t^p}{p}-t+\frac{1}{q}\] と定義すると,微分して増減を調べれば,この関数は\(t=1\)で最小値\(0\)をとり,それ以降は増加し続けます.

従って,\(t\geq 0\)ならば,\[\frac{t^p}{p}+\frac{1}{q}\geq t\] が得られ,\(a,\ b>0\)として,\(t=\frac{a}{b^{q-1}}\)とすれば\[\frac{a}{b^{q-1}}\leq\frac{1}{p}\frac{a^p}{b^{p(q-1)}}+\frac{1}{q}\]

\(p(q-1)=q\)に注意すると,両辺に\(b^q\)をかければ,(1)の不等式が得られます.

ここで,結論の不等式は,\(x,y\)のどちらか一方でも\(0\)になってしまうと明らかに両辺が0です.

また結論の右辺の\(y_i\)についての和が正の無限大に発散してしまう場合は明らかなので,そうでないとします.

このとき,各\(i\in\mathbb{N}\)に対して, \[a_i=\frac{\mid x_i\mid}{\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}},\ b_i=\frac{\mid y_i\mid}{\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^q\Bigr)^{\frac{1}{q}}}\]

とおけば,(1)の不等式より,\[\frac{\mid x_iy_i\mid}{\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^q\Bigr)^{\frac{1}{q}}}\leq\frac{\mid x_i\mid^p}{\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)}+\frac{\mid y_i\mid^q}{\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^q\Bigr)}\]

となって,両辺をiに関して和を取ると,\[\frac{\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_iy_i\mid}{\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^q\Bigr)^{\frac{1}{q}}}\leq \frac{1}{p}+\frac{1}{q}=1\] となって,両辺に左辺の分母をかければ結論が得られます. \(\Box\)

中々定数がややこしかったりしましたが,比較的無難に示せたと思います.といったところで今回はこれで終わりで,次回はMinkowskiの不等式を示します.

間違い等がございましたらコメントかTwitterにて指摘していただけると幸いです.

なんか適当に数学する

\(\ell^p\)について適当に

とりあえず,思いついたことをかいていけばいいかなぁと思いつつやります.

Definition\(1\leq p<\infty\)に対して,\[\ell^p= \Bigl\{\{x_i\}_{i=1}^{\infty};\ \sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p <\infty\Bigr\}\] と定義し,\(\ell^p\)空間という.(読み方はスモールエルピー)

この\(\ell^p\)は基本的な和とスカラー倍に関して,\(\mathbb{C}\)ベクトル空間となります.
(各\(n\)での和とスカラー倍ってやつですね)

実はこの空間においては和について閉じているかどうかは意外と自明ではないですが,次の不等式によってそれが正当化されます:

Theorem(Minkowski inequality) \(x=\{x_i\}_{i=1}^{\infty},\ y=\{y_i\}_{i=1}^{\infty}\in\ell^p\)に対し,\(x+y\in\ell^p\)かつ\[\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i+y_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}\leq\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}+\Bigl (\sum_{i=1}^{\infty}\mid y_i\mid^p\Bigr )^{\frac{1}{p}}\]が成り立つ.

 

といってみたものの,証明をやったことがある人ならわかると思いますが,\(x^p\)の凸性を使うだけで実は\(x+y\in\ell^p\)は言えてしまいます.

が,結局これは示さなきゃいけない事実だったりします.それは次のように定義されたものがノルムだと示さなければいけないからです.

Definition(\(\ell^p\)-ノルム)\(1\leq p<\infty\), \(x=\{x_i\}_{i=1}^{\infty}\in\ell^p\)に対し,\[\| x\|_{\ell^p}=\Bigl(\sum_{i=1}^{\infty}\mid x_i\mid^p\Bigr)^{\frac{1}{p}}\]と定義する.これを\(\ell^p\)-ノルムという .

ノルムの定義において,三角不等式を満足しなければいけませんが,このノルムの形から三角不等式はMinkowskiの不等式そのものなので,結局示す必要があるわけです.

で,結局このノルムに関して\(\ell^p\)は完備となるので,Banach空間であることがわかります.次回からはとりあえずこれを目標にちょこっとずつ書いていこうかなぁと思います.

間違え等がございましたらコメントかTwitterで指摘してくださると助かります.

テスト

-テスト-

パソコン関係は苦手なのでとりあえずテスト.

 

定理\(p(z)=\sum_{i=1}^n c_ix^i+c_0,\ c_i\in\mathbb{C}\ (i=1,\cdots n)\)とするとき, \(p(z)=0\)は少なくともひとつ解を持つ.


proof

証明は容易であるので読者の演習課題とする.\(\Box\)