ちょっと真面目な数学:境界条件と自己共役性
今回は自己共役性と定義域の関係性です.
例えば
\[A_0=-\frac{d^2}{d x^2},\ D(A_0)=\{u\in W^{2,\ 2}(0,\ 1);\ u^{(k)}(0)=u^{(k)}(1)=0,\ k=0,\ 1\}\]
などと定めると自己共役にならないことがわかります.それは次の事実によります: \[A=-\frac{d^2}{dx^2}, \quad D(A)=H^2(0, 1)\]とすると, \(A_0^*=A\)
つまり共役をとったことで元の作用素より大きくなってしまうわけですね.
ですが, たとえば, ディリクレの境界条件
\[ A_D=-\frac{d^2}{dx^2}\quad D(A_D)=\{u\in H^2(0, 1);\ u(0)=u(1)=0\}\] などとすると自己共役になります. まぁ, ディリクレの境界条件で自己共役じゃなくても困るわけですが, こうしてみると自己共役になるようにするのは結構絶妙な定義域を持ってくる必要があります.
従って, 自己共役に拡張するために定義域をガチャガチャ弄くるのは現実的でないというのはわかります. よって, その辺をうまく避けつつ自己共役拡張ができないかを考えようとなっていくわけです.(しかし, 避けたことでの弊害もあったりして・・・)
さて, その辺をまず話す前に, 上の作用素たちの事実が本当に成り立つのかを見ておきましょう.
\[u, v\in D(A), W(x)=\overline{u'(x)}v(x)-\overline{u(x)}v'(x)\] とすると \[ \langle A u, v\rangle=W(1)-W(0)+\langle u, A v\rangle\]
となります. いわゆるロンスキアンというやつです. これは実際に部分積分を2回やればわかります. さて, \(H(0, 1)\)の元はいくらでもありますが, たとえば, \(u(x)=x^2, v(x)=1\)とすれば, \(W(1)-W(0)\neq 0\)であることがわかります. 従って, \(A\)はそもそも対称作用素ですらないということがわかります.
また, \(u\in D(A_0^*)\)とするとき,任意の\(v\in D(A_0)\)に対して, 共役作用素の定義より, \(\langle A_0v, u\rangle=\langle v, A_0^*u\rangle\)です.
これはSobolev空間の定義から, \(-u''(x)=A_0^*u\)を意味するので, \(u\in H(0, 1)=D(A)\)より, \(A_0^*\subset A\)
逆に, \(u\in D(A_0), v\in D(A)\)のとき, \(W(1)-W(0)=0\)より, \(\langle A_0u, v\rangle=\langle u, Av\rangle\)となる. これは共役作用素の定義より, \(v\in D(A_0^*), A\subset A_0^*\)を意味します.
ゆえに\(A=A_0^*\)となって, \(A_0\)は自己共役でないことがわかります. つまりここからわかることは, \(A_0\)は定義域の条件が厳しすぎるし, \(A\)は逆にゆるすぎるということです.
では\(A_D\)はどうなのでしょうか?というとこれはばっちり自己共役になります. 対称作用素なのは明らかなので, \(A_D\subset A_D^*\)です. さて, \(u\in D(A_D^*)\)に対し, \[\forall v\in D(A_D), \langle A_Dv, u\rangle=\langle v, A_D^*u\rangle\]となりますが, 最右辺を部分積分して直接計算すればロンスキアンが出てくるはずなので, \(W(1)-W(0)=0\)でなければなりません. 今, \(v\)は任意なので, たとえば\[v_1(x)=x^3-2x^2+x,\ v_2(x)=x^3-x^2\]をそれぞれいれて計算すれば, \(u(0)=u(1)=0\)がわかります. 従って, \(u\in D(A_D)\)となり, \(A_D=A_D^*\)が示されます.
このように定義域が非常に重要なポイントになるということはわかったと思いますが, 上で述べたように絶妙な定義域を持ってくることは結構難しいです.
そういった困難を回避しつつ対称作用素をうまく自己共役作用素に拡張するひとつの方法として, フォン・ノイマンの理論を次回はお話したいと思います.
ではまた.
ちょっと真面目な数学:自己共役作用素の定義の仕方について?
今日のテーマは自己共役作用素をどう定義するか?的な話です.
なぜ自己共役でなければならないか?というのは様々な理由がありますが, 基本的に量子力学において物理量はヒルベルト空間上の自己共役作用素として表されるので, 物理的意味を持たすためには自己共役でなければ困るというのが一番の理由でしょうか?(そもそも自己共役でなければスペクトル定理が適用できない).
例えば, シュレディンガー作用素は基本的に\(-\Delta+V\)なる形で表されます. ここで, \(V\)は関数\(V(x)\)の掛け算作用素を表します. 過去の記事で
\(-\Delta\)の自己共役性においては話したと思いますが, 自己共役作用素と他の作用素の足し算が必ずしも自己共役作用素になるとは限りません. 自己共役作用素になる十分条件として有名なのは加藤-レリッヒの定理です:
このような定理はあるものの, シュレディンガー作用素の自己共役性を保証するのは容易ではありません. また, シュレディンガー作用素だけでなく, 他の物理量を表す作用素が自己共役であるか?、あるいは自己共役な作用素に拡張できるか?というのは重要なテーマです.
今回は自己共役作用素を定義する方法について古典的ではありますが, 少し話せたらと思います. 具体的には
- 1. 自己共役性と定義域の関係性
- 3. Quadratic formの基本性質
- 4. Representation Theoremとその応用例
などについて話せればと思っております.
今回はその準備としてヒルベルト空間上の線形作用素について簡単ではありますが,上の定理の言ってる意味がわかる程度に復習をしていきましょう.
にも書いてありますので, お手元に関数解析の本がなければ参照してください.
以下特に断りがない限り\(\mathcal{H}\)はヒルベルト空間を表し, \(A, B\)は\(\mathcal{H}\)上の稠密に定義された線形作用素とします.
まず作用素の拡張から定義しておきましょう.
この定義における記号は非常にわかりやすく, \(A\subset B\)かつ\(B\subset A\)ならば\(A=B\)が成り立ちます. 不等式の両側示して\(=\)を示すことと同じように, 作用素においてはこの両側の包含関係をいうことで\(=\)を示すことは多いです.
次に前閉作用素について定義します.
このとき重要なこととして, \(A\)の拡張を作ることができます. いま,
\[D(\overline{A})=\{x\in\mathcal{H};\ \lim_{n\to\infty}x_n=xなる\{x_n\}\subset D(A)が存在して, \lim_{n\to\infty}Ax_nが収束する.\}\] と定義し, \[\overline{A}x=\lim_{n\to\infty}Ax_n\]と定義します.
これはwell-defined で, 実際, \(x\in D(\overline{A})\)に対し, \(D(\overline{A})\)の条件を満たすような点列\(\{x_n\}, \{y_n\}\)をとったとき, \(x_n-y_n\to 0\quad (n\to\infty)\)なので,
\[\lim_{n\to\infty}A(x_n-y_n)=0\] となります. よって, well-difinedであり, その定義から容易にわかるように\(A\subset \overline{A}\)となることがわかります. この\(\overline{A}\)を\(A\)の閉包(closure)といって, 特に, \(A=\overline{A}\)のとき, \(A\)を閉作用素(closed operator)といいます.
閉作用素の定義にも色々とありますが, 個人的に一番理解のしやすい定義を採用しています. またこの定義の仕方からわかるように, \(A\)が閉作用素であることと, \(x_n\to x, Ax_n\to y\quad (n\to\infty)\)なる任意の\(\{x_n\}\subset D(A)\)に対して, \(x\in D(A), y=Ax\)となることと同値になります.
次に共役作用素を定義します.
なお上の定義がwell-definedであるかは, \(D(A)\)が稠密なので, \(D(A)^{\perp}=\{0\}\)が成り立つことから保証されます. (一般に直交補空間が零元のみであることと, その空間が稠密であることは同値です.)
共役作用素については様々性質がありますが, 基本的なものをあげておきましょう.
証明は省略しますが, これによって, \(\overline{A}\)の共役作用素は\(A^*\)あることがわかります.従って, なんらかの物理量を表す作用素が自己共役でないとしても, その閉包が自己共役となれば, 閉包をその物理量を表す作用素として扱うことで意味を持たすことができます. 従って, 最低限として作用素の閉包が自己共役であればなんとかなるので, そのような作用素を本質的自己共役作用素といいます.
この本質自己共役作用素については次の基本的な定理があります.
上の定理からわかるように対称作用素は上の条件さえ成り立てば本質自己共役作用素です. したがって, 対称作用素が本質自己共役になるか?という問いは基本的だといえます.
そこを元に考えていくのがフォン・ノイマンの理論となります.
と色々真面目に語ったのですが, 次回はフォン・ノイマンの定義に触れる前に定義域をどう定義するか?というのが割と重要というのを述べておきます.
ではまた.
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前回の続きです. 今回は6章について話そうと思います. ただ7, 8章は具体的なモデルを扱うので正直いうと一般論は6章までです.
で今回は数式で語るには若干面倒な部分もあるので適当に文章でダラダラ語ります. 6章は5章までの知識を元に量子力学の定式化をしようという章ですね. 章の初めには簡単な物理的な背景が語られているので読んでおきましょう. 僕はあまり知らなかったので, 結構そうなんだ~へーと思って読んでました. ハミルトン力学は別の本で読んで知っていたのであーハミルトニアンね、はいはいとか思ってましたが. ただ公理で「量子系の状態はヒルベルト空間上の単位ベクトルによって表される」とか, 「量子系の物理量は状態ヒルベルト空間上の自己共役作用素として表される」とか言われてもピンとこなかったというのが正直な感想ですね. まぁ其の辺は僕が物理をあまり知らないからなんでしょうけど. この辺がピンときたのは7章の調和振動子をやってからでした(後述). ただまぁ自己共役作用素という要請は結構納得できて, 単位の分解があるので確率空間が定義できるんですよね. これによって物理量の観測値の期待値が定義できて...ってフォン・ノイマンやべーなとか思ってました. あと個人的に6章が楽しかった理由としては, 元々この辺の数学的な理論は知ってたんですけど応用はしらなかったのでおーこうやって使うのか~とかめっちゃウキウキしてました.
7章は量子調和振動子の話ですね. 1次元だけですけど. でもやっぱり具体的なモデルを扱うのはワクワクしますよね. 1次元の調和振動なので高校物理でいう単振動ってやつです. なので当然ハミルトニアンは運動エネルギー+弾性エネルギーになるわけですね. でこれに対応するシュレディンガー作用素は\[H_{os}=-\frac{\hbar^2}{2m}\Delta+\frac{K}{2}x^2\]になるわけです. 当然この作用素は\(L^2\)空間上の作用素なので, 状態は\(L^2\)空間の元で表されます. で, この本では, この作用素の固有値問題を解いてみよー!って感じで進んでいきます. ちなみになぜ固有値を考えるかというと固有値がエネルギーにあたるからです. 僕は実は一度数学の本でこの形はやっていたので, あーこれエルミート多項式のやつだー!ってなってましたが、物理的な意味は知らなかったので十分楽しめました. それにその時とは違う解法だったのもおもしろかったです. あと, 6章ではよくわからなかった公理で「量子系の状態はヒルベルト空間上の単位ベクトルによって表される」という部分はこの章で意味が分かりました. 例えばこのモデルだと,最低エネルギー(つまり最小の固有値)を取るときの固有ベクトルがその系の状態を表すわけですが, それが \[\Omega_0(x)=\left(\frac{m\omega}{\hbar\pi}\right)^{1/4}\exp\left(-\frac{m\omega x^2}{2\hbar}\right)\] となるわけです. つまりこれは振動子の位置がガウス分布に従うってことを言ってるわけです. よくできてますよね~
僕は大学で物理をあまりやっていないからなんですが, 量子でバネなんてなくね?え、これどう言う意味があんの?と読み終わってから気になりました. ということでgoogle先生に聞いたところ, 量子が微小な振動をするときはポテンシャルが二次関数に近似できるので大事らしいですね.
8章は水素様原子の話です. 僕は超有名定理である加藤-レリッヒの定理はあまり使ったことがなかったのですが、ここで使います. やっぱり強い定理使うのは楽しいです. あとここでは基本\(\mathbb{R}^3\)の話なので\(\mathbb{R}^3\)特有の手法が使われてます. 一般論と違って, 調べてる感があっていいですよね. ただ7章と比べるとかなりボリュームがあるので, 息切れしないようにゆっくり読んだほうがいいですね. 僕は一気に読んだのでめっちゃ疲れました.なんか8章の話がめちゃくちゃ薄い気がしますが, ボリュームがあるので全部を語ろうとすると疲れるのでこの辺で.
というわけで本を一冊紹介してみたのですが, 正直ただの感想って感じなので面白さが伝わってるのかは謎です. 次は物理の本とかもいいし, 多様体上の関数解析とかもやってみたいなぁ~とかおもいつつ過ごしてます.
と、切り方がわからなくなったところで、ではまた.
最近読んだ本についてダラダラと3
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前回の続きです. 前回はあっさりと4章を語ったわけですが, その中でも強可換性について軽くしか触れてなかったのでもうちょっと補足しようと思います.
この強可換性においてちょっと注意が必要なのは定理4.10です.
(\(U_a(T)=e^{iaT}\)です. テキストではこういう表記はないのですが, なぜかボックス内で数式に直らなかったので仕方なくこうおいてます.)
また, \(R_z(T)\)は自己共役作用素\(T\)におけるレゾルヴェント\(R_z(T)=(T-z)^{-1}\)を表します. この定理の証明かなりあっさり書いてますが, 実際手を動かしてみるとちょっと大変でした. 具体的には2から3を示すときに, レゾルヴェントの積分表示を使えと書いてあるのですが, この等式を出すのにフビニを使ってガチャガチャやる必要があります. 積分表示は\(\Im z<0\)のとき
\[R_z(T)=-i\int_0^{\infty}e^{isT}e^{-isz}\ ds\] です.
\[(\psi, R_z(T)\psi)=\int_{\mathbb{R}}\frac{1}{\lambda-z}\ d(\psi, E(\lambda)\psi)\]
の被積分関数が\[\frac{1}{\lambda-z}=-i\int_0^{\infty}e^{i(\lambda-z)s}\ ds\]
となることに気づけば, フビニの定理を使って導くことができます. まぁでもこういうの手を動かしてやってみるのも結構楽しいですよね.
次に5章ですが前回Fourier変換とラプラシアンの話と書いたのですが, どちらかという偏微分作用素がメインですね. ていうか5章のタイトルがそうなんで. すいません紛らわしくて.
内容として前半は急減少関数から始まって, \(L^2\)のFourier変換を定義しています. 急減少関数の定義は様々ありますが, このテキストでは \[\forall m\in\mathbb{N}, \forall \alpha\in \mathbb{Z_{\geq 0}}^d, \lim_{|x|\to\infty}|x|^m\partial^{\alpha}f(x)=0\] で定義しています.僕はこの定義が一番急減少感あって好きですが, 擬微分作用素とか超関数やってるテキストをみると, 半ノルムのやつで定義する方が多い気がしますね. どれも得手不得手はあるような気がしますが. この定義の良さはずばりわかりやすい!この上なくシンプルなのがいいです. 半ノルムの方は\(\sup\)やらなんやらごちゃごちゃついててちょっとわかりづらいですからね. まぁあっちはあっちで都合がいいっていうのは超関数とかやってるとわかるんですけどね.
Fourier変換の証明等は普通というか, まぁやるよね~みたいな感じで読んでました.大事なのはFourier変換が\(L^2)のユニタリ作用素であるということです. 所謂プランシュエルの定理ってやつですね.
後半は, 偏微分作用素についてなのですが, Fourier変換で移すと掛け算作用素とユニタリ同値です.っていうのはずいぶん昔にブログに書いた気がします. まぁだから前半にFourier変換を出したわけですね. 掛け算作用素はめちゃめちゃわかりやすい作用素なので, こいつを調べることで偏微分作用素が調べられるというのは中々良いですね. 初めて読む人にはとても面白い内容だと思います. 僕も初めてこの事実とかを知ったときは面白かったのですが, いろんな本に書いてあるのでさすがに見飽きました. でも抑えるところはしっかり抑えて書いてる本だなぁっていうのはこの本読んでて思いました. 数学をちょっと真面目に勉強してるだけの人間の見解ではありますが.
ということでまたダラダラと書いていて長くなりそうなのでここで切ります. ではまた.
最近読んだ本についてダラダラと2
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前回の続きで4章から今読んでる6章位の話をしようかなと思ったんですが, ちょっと長くなりそうなの適当なところで切ります.
4章は本質的自己共役作用素の話と1パラメータユニタリ群と強可換性の話ですね. 本質的自己共役作用素に関してかなりライトに書いてます. 重要なのはよく洋書でfundamental ciriteriaと言われてるもので,こんな感じの定理です. ただしテキストでは\(\pm i\)の部分が\(\pm is\)になってますが同じことです.
これは割と使いやすい定理で, 簡単なものはこれでチェックができます. ただとてつもなく使い勝手がいいかというとそうではないので自己共役性に関する定理はほかの本も読んで見るほうがいいかもしれないですね.
1パラメータユニタリ群は正直いうと僕はあまり使ったことがなかったのでちょっとワクワクしながら読んでました. 目玉はストーンの定理とその系でしょうね.
とこんな感じです. ただし生成子というのは, \(U(t)=\exp(itA)\)なる自己共役作用素のことを指します. まぁつまりこの定理の言わんとしてることは\(A\)の\(D\)の制限\(A_D\)に対して, \(\overline{A_D}=A\)ってわけです. この定理を使うことで, 一般化された偏微分作用素を定義することができます. 僕はソボレフ空間から普通にやったことしかなかったので, こういう定義の仕方もあるのか~と素直に感心しながら読んでました. ソボレフ空間の定義をやる手間は結構ありますからね. ただ, ソボレフ空間は正直いうと関数解析ではかなり出てくる空間だし, 重要な定理も多いので其の辺は別の本で読んでおいたほうがいいかなって感じです. ソボレフ空間で有名な本といえば, 和書だと宮島先生の
この本が一番まとまってる気がします. 洋書ですと Adams先生の
Sobolev Spaces, Volume 140, Second Edition (Pure and Applied Mathematics)
- 作者: Robert A. Adams,John J. F. Fournier
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がかなりしっかり書いてあるかなと思います. 高級な(?)本なので僕もかいつまんで読んだことしかないですが. あとは黒田先生の関数解析にもライトに載っているのでまずそのへんから読んでみるのもありですかね.
強可換性の話は比較的よくあるだったかなぁって感じですね. 大事なのは単位の分解の直積で, これで多変数の作用素解析もできるようになります. 正直いうとこの辺は人生で一回やればいいかなくらいの定理なので, とりあえず先を読みたい人は事実だけ認めて先を読んでもいいかなと思います.スペクトル定理と一緒にほかの本でやってもいいかもですね.
とまぁダラダラ話を書きましたが, 僕自身は3章以降は結構ワクワクしながら読んでます. 4章は上にも書いたように1パラメータユニタリ群のところが楽しかったので1日で読み終わってしまいました. 5章は実は言うとFouier変換とラプラシアンの話なので全部知ってて退屈だったのですが, 抑えるところはしっかり抑えて書いてある本なのでいい本なんじゃないかなって思ってます. 次はそのへんが話せるといいかなって感じですね.
それではまた.