数学メモ帳

なんかとりあえず数学する

最近読んだ本についてダラダラと

 

 

お久しぶりです. このブログもいつぶりに書くのか全くわかりませんが, 今日は最近読んでる本とかを紹介しようかなと思います.

 

ヒルベルト空間と量子力学 改訂増補版 (共立講座 21世紀の数学 16)

ヒルベルト空間と量子力学 改訂増補版 (共立講座 21世紀の数学 16)

 

 

まあ僕は解析の人なので紹介する本ってなると解析の本になるわけですが, 今回はこの本のいいなぁって思ったところをダラダラと書こうと思います. ダイマですね.

この本をオススメするポイントとしては関数解析の入門書としてはちょうどいいかなってところですかね. ベクトル空間から始まって, 非常に基本的なところから丁寧に書いてある本です. まあ1年2年でしっかり数学をやってる人にとってはくどいと思いますが.

ただまぁ、解析の本なのでルベーグ積分はバンバン使います. でも多分この本を読む人って解析に多少なりとも興味がある人だと思うのでルベーグ積分くらいは知ってるでしょうけど. もし忘れていても付録に必要な定理は載っているので安心ですね. 

一章のざっくりした内容は, ヒルベルト空間の定義とその具体例や, 完全正規直交系などです. あと重要なのは\(L^2\)で\(C_0^{\infty}\)が稠密ってことですかね. これめっちゃ使うんですけどこの本ではそこは少しだけ端折ってます. 具体的には\(C_0\)が\(L^2\)で稠密ってとこの証明ですね. でもまあこれは超有名な伊藤清三先生のルベーグ積分入門に書いてあるのでそちらを参照すれば問題ないです. あと一番最後の完備化の話は個人的な意見ですが飛ばしても後半に差支えがないです. 知っておいたほうがいい内容ですが, とてつもなく重要というわけではないので話程度に読むのがいいかなって感じです. そこそこ大事なんですけどね.

2章からはいよいよ線形作用素が出てきて関数解析が始まった感が出てきます. 正直いうと1章の内容は結構地味なので, 2章はそれに比べると楽しい定理が盛りだくさんです. リースの表現定理とかは初めてやったときはすげーってなると思います. 僕はなりました. スペクトルとレゾルヴェントの話とか自己共役作用素の話もちょくちょく出てきますのでそのへんも面白いです. ただ自己共役作用素が主役になるのは3章ですね. あとはコンパクト作用素ですかね. ヒルベルト-シュミットの展開定理とかはまんま対角化じゃん!ってなると思います.

3章はいよいよ作用素解析とスペクトル定理です. 関数解析をやる際に絶対に逃げられないものとしてスペクトル定理があります. これは簡単に言うと行列の対角化の一般化みたいなもので, 行列が対角化することでわかりやすくなったように, 自己共役作用素もスペクトル定理を使うことでいろいろわかります.実を言うと2章でやったヒルベルト-シュミットの定理もこの定理の特別なバージョンです. ただし証明はさすがにやりません. というか長すぎるのでできません. 証明は色々な本に載っていますが, 僕が読みやすかったのは

 

新・フーリエ解析と関数解析学

新・フーリエ解析と関数解析学

 

 この本です. まぁほかにも載っている本はいろいろあります. それはともかくとして, このスペクトル定理によって, 自己共役作用素のいろいろとわかります. またこのスペクトル定理によってのちのちの量子力学の方にも影響があります. 

とまぁ3章まで書いてだいぶ疲れたので, 一旦ここで区切ります. もし4章以降の感想が聞きたい方がいらっしゃいましたらコメントかtwitterでお気軽にお声かけください.

 

あと今回全く式出してないんですが、僕の話の中でこの定理って何?っていうのがあればその定理の解説とかその応用例とか僕が知ってる限り語りたいと思うのでそのへんも要望あればお願いします.